天方城
AmagataJyo, Japan


登城日:
2006. 01. 13







天方城は、静岡県周智郡森町にある山城です。

天竜浜名湖鉄道に乗った際、掛川駅の看板に
遠州森駅の近くに、このお城があることと、
レンタサイクルが利用出来る事を知ったので、
このお城に行ってみる事にしました。

天竜浜名湖鉄道の様子はこちらです。
遠州森の様子はこちらです。


遠州森のお寺を巡った後、
町を流れる太田川を渡り、
お城を目指しました。

地図はこちらです→ Mapion


流れる雲に山々が映えて、綺麗な景色です。



川に架かる橋から撮った一枚ですが、
行ってみると、天方城は、
この山の頂上にありました。

山の麓から上り道が続き、自転車では
とても乗って登る事は出来ません。
自転車を押しながら坂道を上りました。
冬なのに、汗が流れてきます。

木々の間の鬱蒼とした曲がり道を抜けると
坂も多少は緩やかになり、
茶畑が広がるようになりました。



この後、どのくらい坂道を登れば天方城に
着くのだろうと、不安を覚え始めた頃、
札幌ナンバーの車が脇をすり抜けて行きました。

その運転手の方もこの天方城を訪問されるとの事で、
「ナビで見ると、あと1kmもないですよ」との言葉に
勇気付けられて、足を進めます。

やがてかなりの坂道が急坂になり、
自転車を道端に置いて行く事にしました。

駅で借りた自転車なので心配でしたが
この山道を来る人は殆どいないようなので、
大丈夫でしょう

そうするうちに、駐車場が現れ、
やっと天方城址に辿りつきました。

麓から歩き始めて30分以上は掛かったと思います。



駐車場の外れに天方城址の説明板がありました。
それによると、天方城は14世紀末から
15世紀初頭には既に築かれていたそうです。

その後戦国の世となり、この辺りは今川氏の支配下に置かれました。
当時の城主は、天方山城守通興です。

彼は今川義元が桶狭間の戦いで命を落とし、
徳川家康が遠州に攻め込んだ後も従わなかったので、
1569年(永禄12年)、家康はこの城を攻め落としました。

しかしその後、天方通興は武田側に寝返った為、
家康は再び1574年(天正2年)に
この城を攻め落としたそうです。

静かな天方城址に一人佇んでいると、
当時の激しかった戦闘の様子は
なかなか思い浮かべる事も出来ません。

あまり静かなので、この地で
命を落とした兵の霊がひょっとして
まだ成仏できずにさまよっているのでは、
と思うと、気が落ち着きませんでした。


天方城の本丸址は駐車場から
一段高いところにあります。
その間に空堀が残っていました。



高さは1m以上はあるでしょうか。
かなりしっかりと当時の堀が残っています。

そして、本丸址は広い空間があり、
遊具もいくつか置いてあるようです。

中央に、城址碑がありました。




この天方城は山の山頂にあるので、
本丸址からは、南西方向の展望がよく効きました。



遠く遠州灘が、冬の日差しを浴びて、
キラキラと輝いています。
またなだらかに続く三方が原の向こうに
浜松の高層ビルもみえました。

この景色を眺められただけでも
あの急な坂道を登ってきた甲斐がありました。


城下町にある近世の城郭とは
一味も、ふた味も違った天方城址の様子。

江戸時代の城址だけでなく、
戦国時代の城址も訪れてみたくなりました。

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