古河城
Koga Castle, Japan


登城日:
2009. 8. 23







【古河城概要】


古河城の歴史は平安時代に遡り、源頼朝に従った
武将・下河辺行平が築いたとされています。
1180年頃の事の様です。

その後、南北朝時代になると
足利氏の拠点の一つになりました。

第五代鎌倉公方・足利成氏は、1455年(享徳4年)に
この古河に本拠を移したそうです。

古河公方館跡の様子はこちらです。

足利成氏は当初は、古河城から離れた
古河公方館に居を構えたようですが、
その後、この古河城に移ったそうです。

古河城は、渡良瀬川の東に位置し、
沼地に囲まれた半島状の台地に築かれたそうです。





古河公方は、130年も続いたそうですが、
戦国時代後期には後北条氏の支配下になったようです。

1590年(天正18年)に家康が江戸に移封されると、
古河城には小笠原秀政が3万石で入城し、
その後、江戸時代に入り、古河藩が成立し、
松平氏、奥平氏、永井氏と譜代の大名が藩主を務めます。

1633年(寛永10年)に佐倉から土井利勝が入封します。

佐倉城の登城記はこちらです。

土井氏は47年間この地を治め、その後は
堀田氏、松平氏、本多氏と再び譜代大名が短期間で
交代しますが1762年(宝暦12年)に再び土井氏が
古河城主となり、以降、明治まで続きます。


古河城の縄張りは、南北に曲輪が並んだ
典型的な連郭式の造りとなっています。



この図は、古河歴史博物館のサイトから借用しています。


南北に1800m、東西の幅は550mあったようです。

江戸初期に城主となった奥平忠昌、永井直勝の時代に
城郭が整備され、土井利勝が古河城主になった際に
佐倉城を模した御三階櫓を本丸に築いたそうです。

古河は日光街道の宿場町だった事もあり、
将軍が日光東照宮に参拝の際は、岩槻城、
宇都宮城とともに、この古河城に泊まったそうです。


しかし、渡良瀬川の改修工事で、城址の大部分は
完全に消失し、残った部分も市街地化され、
出城だった諏訪曲輪が古河歴史博物館として
僅かに残っています。




【古河城へのアクセス】


JR古河駅から古河歴史博物館まで、
約1.5km程、徒歩約15分です。

古河歴史博物館から本丸があった
渡良瀬川の堤防まで、さらに
徒歩10分ちょっとです。




【古河城登城記】



2009年8月23日に古河城を訪れました。
JR古河駅から古河の街中を散策しながら
古河歴史博物館に向かいました。

古河の散策記はこちらです。
古河歴史博物館の隣にある文学館です。



この文学館の建物の脇に
古河城出城の碑が立っていました。



この文学館から歴史博物館にかけて
当時の土塁と復元整備された堀がありました。

当時は主郭との間に百闌@という広い堀があり
この出城と御成道という土橋で繋がっていました。



出城は諏訪曲輪ともいい、
土井内蔵充が屋敷を構えていたそうです。



堀と土塁に沿って、歴史博物館まで歩いてみました。

土塁は木が生い茂っていましたが、
当時の様子を彷彿とさせてくれました。

出城跡に建つ古河歴史博物館です。




この歴史博物館は展示内容も
しっかりしていて見応えがありました。

すぐ隣には、古河藩家老だった
鷹見泉石の旧宅もありました。


この出城跡(諏訪曲輪跡)から、
古河城の本丸跡まで歩いて10分ちょっとです。

実際には、この南にある古河公方館跡を
訪れた帰りに立ち寄りました。

渡良瀬川の立派な堤防を歩いていると
堤防道路の脇に、水色の碑がたっていました。



渡良瀬川の広い河原を囲い込む様に
緩やかな勾配の立派な堤防が続き、
かつてここに、お城があったとは
全く想像にも出来ません。

渡良瀬川のすぐ上流には広大な遊水池があり、
このすぐ下流で、渡良瀬川は利根川に合流しています。

そのような関係で、治水の為に
この立派な堤防が築かれた事と思います。


明治に入り、古河城はご多分に漏れず廃城となり、
建物は壊されたり、払い下げとなっていますが、
市内にはいくつか古河城の建物が残っているようです。

こちらは、市内福法寺に残る古河城乾門です。





かつて二の丸御殿の入り口にあったそうです。



二ノ丸御殿は藩主の居所だったところで
将軍御成りの際には、ここを宿舎としたそうです。


またこの少し北にある酒問屋の板長本店には
払い下げられた古河城の蔵が使われています。



板長本店の場所はこちらです:





主要な曲輪が、渡良瀬川の河川改修によって
すっかり消滅してしまった古河城の様子には
とても驚きましたが、出城跡やいくつかの現存の建物が、
その当時の古河城を今に伝えていて、
それを知る事が出来て良かったです。




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