足柄城
Ashigara Fort, Japan

登城日:
2011. 12. 26

【足柄城 概要】

神奈川県と静岡県の間には、奈良時代から
足柄峠を越える街道が整備されていました。
足柄峠は標高759メートルです。

足柄峠の様子はこちらです。

この足柄峠には、平安末期から軍事施設が設けられ、
戦国時代の末期に城郭として整備されました。

築城したのは小田原に拠点を持っていた
後北条氏で、記録によると1555年(天文24年)に
北条氏康が改修した記録が残っているそうです。

その後、北条氏が、甲斐・武田信玄と駿河・今川義元と
結んでいた三国同盟が、武田信玄によって破られた
1568年(永禄11年)の翌年から大規模な改修が行われ、
更に、北条氏が豊臣秀吉に臣下せずに緊張が高まった
1587年(天正15年)に更に大規模な改修が行われました。

そして秀吉が北条氏を滅ぼした1590年(天正18年)に
廃城になっています。

足柄城の曲輪は、足柄峠の北側と
南東側に広がっていたようです。


上の図の右側の曲輪群が、足柄峠の北側、
左側が峠の南東側を示しています。

この足柄城には2011年12月に訪れました。
麓のJR御殿場線足柄駅から足柄古道を
1時間半掛けて足柄峠に辿り着きました。

足柄古道の様子はこちらです。
足柄峠の様子はこちらです。

【足柄城へのアクセス】

小田原駅から伊豆箱根鉄道大雄山線で大雄山駅下車。
駅前の関本バス停から足柄万葉公園行きに乗車。
足柄万葉公園から徒歩15分程です。

上記の足柄万葉公園行は季節限定運行のようです。
運休の際は地蔵堂行に乗車し、終点の地蔵堂から
3.8km、徒歩50分程の所要時間です。

関本からのバスの時刻表は こちら を参照願います:
https://gunbus.co.jp/routebus/pdf/takasakiikahosen.pdf

静岡県から足柄古道を歩いて
足柄峠に行くことも可能です。
5.5km、所要時間約1時間半程です。

【足柄城登城記】

JR御殿場線の足柄駅から足柄古道を
歩き、足柄城へ向かいました。
標高差429m、約5.5kmの道のりを
1時間40分程で上りました。

足柄峠の擁壁です。


撮影: 2011年12月

この擁壁を上ると足柄城の一の郭です。


撮影: 2011年12月

よく整備され、芝生が広がっていました。
茂みの脇に案内板がありました。


撮影: 2011年12月

ここは玉手池と呼ばれています。
足柄城は箱根外輪山の尾根の上に位置していますが、
ここに湧水が湧き、貴重な水源になっていたようです。
池の底は小田原城に続くとの言い伝えもあるようです。

その脇には駿河国と相模国の国境の碑がありました。


撮影: 2011年12月

「足柄峠笛まつり」で小山町と南足柄市とで
綱引きを行い、勝者が翌年のお祭りまで、
足柄峠広場を領地としているそうです。

一の郭は平坦ではなく波打っていて、
その向こうに石碑が見えていました。


撮影: 2011年12月

この石碑は一の郭のほぼ北端にあり、
富士山が一望出来る位置にあります。


撮影: 2011年12月 撮影: 2017年11月

2011年12月に訪れた時には生憎中腹から山頂にかけて
雲で覆われていたので、2017年11月に再訪しました。

一の郭の北の端に立つと、深い空堀の
向こうにまた曲輪がありました。


撮影: 2011年12月

空堀を越えて辿り着いた二の郭です。
右手に郭が伸び、左手にはまた深い
空堀の向こうに三の郭が見えていました。


撮影: 2011年12月

三の郭の向こうには富士山が見えています。
三の郭を示す案内板です。


撮影: 2011年12月

三の郭は一の郭、二の郭よりも一回り小振りでした。
三の郭から二の郭を眺めた様子です。


撮影: 2011年12月

三の郭からは南に金時山(下左写真)や
富士山(下右写真)がよく見えていました。


撮影: 2011年12月

人里離れて足柄城に詰めていた北条氏の家来らは、
この景色を眺めて心を休めていたのでしょうか。
それとも迫りくる豊臣の軍勢を眺めたでしょうか。

三の郭から四の郭に向かいました。
その途中には井戸跡がありました。


撮影: 2011年12月

今では埋もれてしまっているようですが、
当時、水は容易に得られていたようです。

そして、こちらが四の郭です。
雑木林や雑草に覆われ、全容は分りませんでした。


撮影: 2011年12月

四の郭からも、更に曲輪が続いています。
再び、深くえぐれた空堀を越え、
五の郭に向かいました。


撮影: 2011年12月

上左が四の郭と五の郭の間の空堀、
そして上左が五の郭の様子です。

この辺りまで来ると古城の
雰囲気が濃厚に漂っていました。

五の郭で引き返し、足柄峠に架かる
橋を渡り、峠の南側に向かいました。


撮影: 2011年12月

城郭図によると、橋を渡った先にも
足柄城の郭があったようです。


撮影: 2011年12月

こちらは、整備がされておらず、案内板もなかったので
どこが曲輪だったのか、はっきりとは分りませんでしたが、
土塁跡が残っており、当時の様子を思い浮かべていました。

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