葛山城
Ruins of Kazurayama Castle, Japan

登城日:
2011. 12. 26

【葛山城 概要】

静岡県裾野市の真ん中あたり葛山
(かずらやま)という地区があります。
ここは、鎌倉時代から戦国時代
にかけて葛山氏が治めていました。

葛山氏は藤原鎌足の血筋をひくとも言われた名家の様です。
戦国時代に入ると、今川氏に仕えていたようです。

しかし、葛山氏の最後の領主は武田信玄の六男・伸貞と
言われていて、武田氏が駿河に勢力を伸ばして以降は
武田氏の所領になっていたようです。

この葛山には、葛山城跡が残っています。


葛山城は小高い山の上に位置していました。
本丸を中心に、尾根に沿って東西に
曲輪が伸びています。

この葛山城は、戦の際の拠点として機能し、
領主は近くに居館を構え、平時の際には、
そこで暮らしていました。

葛山では、居館跡もしっかり残っています。
2011年12月に葛山城に登城した際、
葛山公居館跡にも立ち寄りました。

葛山公居館の登城記はこちらです。

ちなみにこの日は、相模、駿河の国境に
あった足柄城址と、御殿場の深沢城址に
立ち寄った後に葛山を訪れています。

足柄城の登城記はこちらです。
深沢城の登城記はこちらです。

【葛山城へのアクセス】

JR御殿場線三島駅または裾野駅から
富士急シティバスで御宿下車。
葛山城では約1.5km程、徒歩20分程です。

富士急シティバスのダイヤはこちらです。

【葛山城登城記】

葛山公居館を訪れた後に、葛山城址に向かいました。


撮影: 2011年12月

居館から城までは500m程あります。
葛山城の麓には仙年寺が建っています。

葛山城は、標高はそれほど高くなく、平山城といった
感じですが、それでも戦の際に護りを固める拠点
としての城と、戦のない時に暮らしていた
平時の居館と分けていた事が良く判ります。

城のある山の麓の仙年寺の位置に居館があったと
思っていましたが、予想以上に離れていました。


撮影: 2011年12月

城門のような仙年寺の山門です。

仙年寺の創建は、8世紀に遡るそうです。
元々は愛鷹山にあったのを1384年(元中元年)に
当時の領主だった葛山惟信が現在地に移転し、
葛山氏の菩提寺になったそうです。

境内には葛山氏の墓地があります。


撮影: 2011年12月

鎌倉時代からこの地を治めていた葛山氏ですが、
墓所の門は菱形の紋になっていました。

戦国時代末期、この地は今川、北条そして武田が
支配地を奪い合う境目の地になっていました。
桶狭間の戦い以降、今川氏が勢力を落とした為、
武田氏が支配していたのでしょうか。

仙年寺の本堂の裏から葛山城址への上り口がありました。


撮影: 2011年12月

この日は幾つかの城跡を巡り、既に日も傾く
時間になっていましたので、登城道が
綺麗に整備されていて助かりました。


撮影: 2011年12月

階段を上ると、大きな堀切が現れました。
本丸東側の堀切で、左手の一段高い切岸が本丸です。

この東側にも、もう一つ堀切がありました。


撮影: 2011年12月

この右手に向かうと東曲輪があります。
尾根に沿って、曲輪が続いているようでした。


撮影: 2011年12月

東曲輪から、先ほどの本丸東側の堀切まで戻りました。
堀切の南、本丸の下の帯曲輪の様子です。


撮影: 2011年12月

ここからは葛山城の南の景色が開け、
箱根の山々が見えていました。


撮影: 2011年12月

この景色を眺め、いよいよ本丸を目指しました。


撮影: 2011年12月

本丸はざっと50m四方の広さがありました。


撮影: 2011年12月

本丸からは葛山の北にある遠見塚が見えていました。
富士山も見えるようですが、何処から眺められるのか、
分らず、見逃してしまいました。


撮影: 2011年12月

本丸からは西側の曲輪を目指して山を下りて行きました。


撮影: 2011年12月

本丸の西隣が二の丸です。
二の丸は傾斜地に築かれた曲輪の様です。


撮影: 2011年12月

二の丸の西端に虎口がありました。


撮影: 2011年12月

その虎口を抜けると、西側の堀切がありました。


撮影: 2011年12月

東側の堀切と同じく、西側の堀切も
深く切れ込んでいました。

夕暮れ迫る時間に訪れた葛山城、藪が生い茂った
山城だったら、道に迷いそうだったので、登城を
諦めないといけないかも、と思っていましたが、
とても整備状態が良く、効率的に巡れました。


撮影: 2011年12月

葛山城の登城を終え、最寄りのバス停に向かう際、
振り返ると富士山が綺麗に見えていました。
この日は、一日、富士山に見守られての
お城巡りになりました。

"日本全国お城巡りの旅"に戻る

Shane旅日記 日本編に戻る